マドゥ川
スリランカ南部地域には、ゴール県があります。バラピティヤはこの県にある小さな町で、川の存在がなければ特に目立つ場所ではありません。マドゥ川は非常に豊かな生物多様性を誇り、スリランカの湿潤地帯を流れ、インド洋へ向かう途中で広大なマドゥ・ラグーンへと広がります。
マングローブとその生態 ― 事実
- マドゥ川周辺の地域は、マングローブ林に覆われた湿地や沼地で構成されています。
- 森林の面積は61ヘクタール以上(150エーカー超)に及び、この地域では24種あるマングローブのうち14種が確認されています。
- マングローブが土壌浸食の防止に大きな役割を果たしている点は注目に値します。
- 2004年12月の壊滅的な津波の際、マングローブ林が自然の防波堤として機能し、地域を守ったことでその価値が広く認識されました。
- マングローブの密集した成長は、生態系に連鎖的な恩恵をもたらしました。保護された土壌は非常に肥沃となり、他の湿地植物の豊かな成長を促しています。
- これまでに300種以上が確認され、そのうち19種は固有種です。
- この地域は今なお生物学者や生態学者にとって宝庫であり、到達困難なマングローブ林の奥深くには未発見の種が数多く存在します。
- 豊かな植物相は、それに依存する多くの野生動物を支えています。
- 地域最大の動物はイノシシで、ほかにもサルやさまざまなリス類などの小型動物が生息しています。
- 鳥類では、ウ類やカワセミがよく見られます。熱心なバードウォッチャーにとって、マングローブ林はまさに夢のような場所で、111種以上の鳥類が確認されています。
- また、ヘビ、トカゲ、ワニなど、31種の爬虫類も生息しています。
- さらに、マドゥ川流域では50種以上のチョウ類と25種の軟体動物が確認されています。
コロンボの活気ある商業中心地から南へ約80km、漁業の町バラピティヤに位置するマドゥ川(地元ではマドゥ・ガンガと呼ばれる)は、スリランカ南西部沿岸に隠された自然の宝です。川は密生したマングローブ林を優雅に流れ、その後湖状に広がり、多くの小島を伴う河口を有する湿地を形成し、広大で複雑な沿岸生態系の一部を成しています。この地域の生物多様性の重要性は自然愛好家の間で広く知られており、マングローブは多様な動植物の生息地となっています。そのため、マドゥ川は湿地の保全と持続可能な利用を目的とする国際条約「ラムサール条約(ラムサール湿地)」に登録されています。
マングローブは土壌浸食の防止に重要な役割を果たしており、マドゥ・ガンガの湿地は61ヘクタール以上の面積を覆っています。
ゴール地区について
ゴールはスリランカ南西端、コロンボから119kmに位置する都市です。ゴールは、ヨーロッパ人が南アジアと東南アジアに築いた要塞都市の好例であり、ヨーロッパの建築様式と南アジアの伝統の相互作用を示しています。ゴール要塞は世界遺産であり、ヨーロッパ人によって築かれたアジア最大の現存する要塞です。
ゴールは、ヨーロッパ人が南アジアと東南アジアに築いた要塞都市の好例であり、ヨーロッパの建築様式と南アジアの伝統の相互作用を示しています。ゴール要塞は世界遺産であり、ヨーロッパ人占領者によって築かれたアジア最大の現存する要塞です。
ゴールはスリランカの基準からするとかなり大きな町で、人口は9万1000人で、その大半はシンハラ人です。また、特に要塞地域には、古代の港町ゴールに定住したアラブ商人の子孫であるスリランカ・ムーア人の少数民族が多く住んでいます。
南部州について
スリランカ南部州は、ゴール、マタラ、ハンバントタの各県からなる小さな地理的地域です。この地域の住民の大部分にとって、自給自足の農業と漁業が主な収入源となっています。
南部州の重要なランドマークには、ヤラ国立公園とウダワラウェ国立公園の野生生物保護区、聖地カタラガマ、そしてティッサマハラマ、キリンダ、ゴールといった古代都市があります。(ゴールは古代都市ですが、ポルトガル侵攻以前の遺跡はほとんど残っていません。)ポルトガル統治時代には、ディックウェラ出身のアンダーレと、マタラ県デニピティヤ出身のガジャマン・ノナという二人の有名なシンハラ人詩人がおり、庶民をテーマにした詩を詠んでいます。